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境町の名所・史跡   香 取 院(こうしゅいん)

2017年03月01日 01:11

境町塚崎2887-4

 

塚崎にある香取院(こうしゅいん)を訪ねた。平成26年に新築された本堂はまだ檜の香が残る。

これと宮戸川を挟んで香取(かとり)神社がある。明治の分離令によって分祀された。習合の名残は老朽化が進む神社の方に見られる。

真言宗豊山派三宝山香取院。寛永九年(一六三一)、京都智積院僧侶順清が開山したと伝える。智積院は智山派本山のはずだが真言宗には違いない。本尊は大日如来。平成元年頃に書かれた文献には阿弥陀如来を本尊に、その後昭和26年の落雷焼失で再建された頃には聖観音が本尊だったと記されていた。

現在、聖観音は観音堂に安置されて十二年に一度の観音開帳をじっと待つ。

ぽっくり地蔵に祈願する。この地蔵は剃髪ではなく()(ほつ)で右手上げ左手下の印相からは弥陀仏に見える。

ご利益本位のこだわらないところが奔放だ。

 

ピラミッド状の百庚申が目を惹く。庚申は道教由来の信仰だ。本尊の青面金剛と“見ざる言わざる聞かざる”三猿を刻んだ像が頂に立つ。その背後に神道由来の猿田彦大神も祀られている。 

庚申信仰は庚申の夜、寝ている間に人の口から三尸(さんし)(ちゅう)という虫が這い出して、天帝に悪事を告げ口すると恐れられた。

時の権力者に不満を持つ庶民は、三尸虫に這い出されないように夜を徹して勤行したという。

近頃は「共謀罪」なる法をつくり、不埒な民を取り締ろうとしているそうだ。庚申信仰が復活するのか。

諸仏も神々も呑みこむ庶民信仰のたくましさをこの寺に見た …      合掌

 

 

 

香取院は「猿島坂東三十三観音霊場」の4番札所です。

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