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境の名所~お寺~ 慈眼院

2014年05月08日 02:08

第十四番札所

   げん いん   真言宗豊山派

境町下小橋411

ご詠歌

身を清め  小橋を渡る巡礼の

          二世安楽を  祈る御寺ぞ

 

 

 

 

 江戸時代、下小橋が一村を成していたころ、慈眼院は香取神社と共に同じ敷地内に並び、神仏しんぶつ混淆こんこうの形で、人々の信仰を集めていた。

 明治に入り、寺は廃寺となる。現在その敷地には香取神社と大六天舎だいろくてんしゃが鎮座している。

 慈眼院のご本尊の不道明王、札所観音の聖観世音菩薩は共にかつての境内跡に建てられた集落センター内に安置されている、

 また集落センター内には、猿島坂東観音霊場を開基なされた雄弁上人が、札所のしるしとして安置した五輪塔ごりんとう位牌いはいも祀られている。この位牌は開基から三百年近い歳月が経っているので、保存されている例は少なくなっている。それだけに地域の方々の世代を超えて護持された観音信仰の深さが偲ばれる。

 集落センターわきには、地蔵観音、弘法大師などの石仏が並び、寺としての名残りを留めている。

 香取神社の扁額へんがくには「香取大神宮・正八幡宮」とあり、二社が併記されていることを示している。

 大六天社は厄除やくよけや商売繁盛の神として敬われている。本殿のまわりは繊細な技巧をこらした彫刻が施され、文化財的価値の高さがうかがわれる建造物である。

 集落センターでは年に数回、十九夜講じゅうきゅうやこうが地域の女性たちで行われる。十九夜講と観音講は呼び方は違っても内容は同じで、観音様の慈悲によって安産を得たい、という信仰の集いである。

                                                       

 

二世にせ…仏教語で、前世・現世・来世のうち現世(今生こんじょう・この世)と来世(後生ごしょう・あの世)をいい、現世と来世が安楽であることを二世安楽という。

※香取神社…香取社は鹿島社と共に関東地方最古の神社で、猿島地方が属していた下総国の一の宮であるため、各村々の鎮守として祀られている例が多い。

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