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境の名所~お寺~ 吉祥院

2014年05月08日 01:49

第三番札所

形山ぎょうざん 延命寺えんめいじ    吉 祥きち  じょう 院    真言宗豊山派

境町新吉町974

 

ご詠歌

穢土えどいとい 浄土じょうどにかのう 道全院 

           境の川を 渡る人々

 

参道の先に鐘楼を兼ねた山門さんもんがある。この鐘楼は江戸時代の文化のころ、利根の水運で栄えた境町の豪商箱島善兵衛を初めとする有志の方々の寄進によるもの、と伝えられている。ご本尊は、あらゆる悪をこらしめるため、憤怒形ふんぬぎょうという恐ろしい形相をしておられる不道ふどう明王みょうおう。当札所は十一面観世音菩薩を祀る。

 第三番の札所は、観音霊場が創設された際は町内の狩野かのにあったどう全院ぜんいんが指定された。明治になって道全院が指定された。明治になって全道院が廃寺となり、本寺の吉祥院に併合されてからは当所で行われるようになった、という経緯いきさつがある。しかし、ご詠歌だけはそのまま残り、霊場は移ってもこ詠歌に在りし日の道全院の名が残り、昔日のえにしを留めている。

 境内の左手に、観音霊場三十三所の観音像が並んでいる。これは「うつ巡礼じゅんれい」といって、広範囲の札所をまわることのできない方のために設けられたものである。

 寺宝に、寛永十年(1633)の銘の入った礼盤らいばんがある。礼盤は僧侶が仏を礼拝し、誦経ずきょうする台座のことで、黒を基調とした塗りで、各々の角は朱で面取りがほどこされ、四方上下の角に唐草からくさ模様もようの金具をつけている。江戸時代を代表する第一級の美術品として県の文化財の指定を受けている。

 境内の右端の堂内に、年代を経て痩躯そうくとなられた塩地蔵が祀られている。願いをするとき、塩断しおだちをし、成就すると地蔵様を塩で清めたためこの名がある。

公報さかい 2014.5.1号 No.57より

吉祥寺境内にあった塔:一番上の字が読めません(;一_一)

 

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