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境の名所~お寺~金剛院

2014年05月08日 02:12

第十六番札所

無量寿山神勝寺  こん ごう いん   真言宗豊山派

境町若林1916

ご詠歌

月影の  隔てはあらじ  老若おいわか

         林の花に  吹く風もなし

 

 

 

 

 

 金剛院は若林の商店街の西側にあり、隣接地に香取神社が祀られ、神仏しんぶつ混淆こんこうの名残りを留めている。金剛院の所在地である若林は、明治二十二年、伏木、百戸、一の谷、若林の各村が合併して森戸村となり、更に三十年、境町と合併した。

 金剛院の本尊は阿弥陀如来、十六番札所の聖観世音菩薩は本堂に向かって右手にある観音堂に祀られている。

金剛院は江戸時代、ご朱印三石を拝領、本寺は隣村伏木の大照院であった。

 観音巡礼の札所は秩父の三十四所を除いて全国何れの所でも三十三所となっているが、長い歳月間には札所の移動、番街の付加、掛所の新設または廃止など

様々な経緯の跡が見られる。

 金剛院の十六番札所もやはり人々の熱い観音信仰の末の所産で、隣接地域の長須の東光寺と同番という珍しい形態となっている。その理由は古いこともあり、様々に伝承されているので外縁の者にはわからないところもあるが、おおよそは次のようである。

 札所が開設された当初の十六番は若林村の観行院であった。幕末のえい(明治説もあり)のころ、かん行院ぎょういんは火災にあい、第十六番の聖観音は東光寺に移された。時が経ち、若林の方々はかつての札所への追慕と信仰の高まりによって、金剛院に改めて札所を設けたということである。

                                                       

 

※秩父三十四霊場…三十三という数字は無限の数を意味し、観音様は無限の慈悲を与える事を意味している。秩父だけが三十四所であるのは、百という区切りの良い数字にするため、西国・坂東・秩父で百観音になるよう秩父に一所を加えたため。

○おかげ…巡礼の過程におる、良い出来事や不思議な出来事を、すべて観音様の利益りやく功徳くどくと考えて「おかげをいただいた」と感謝する。また、不都合な出来事であっても、観音様の「いましめ」というお陰の一種として自己反省のきっかけにすることが伝統とされている。
 

 

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