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境の名所~お寺~大照院

2014年05月08日 02:10

第十五番札所

きょう王山おうさん じん護寺ごじ   だい しょう いん   真言宗豊山派

境町伏木2153

ご詠歌

みやまじや  木立こだちの中に 宝光寺

          琴の音しらぶ  松風のおと

 

 

 

 

 

大照院は徳川時代、ご朱印しゅいん十五石を拝領、末寺まつじ六十余を数える当地方屈指くっしの寺である。

 本尊は延命地蔵菩薩、寺宝に「木造金剛こんごう力士像りきしぞう」がある。寄木造よせぎづくりで、江戸時代の造形の特徴を有し、境町の文化財に指定されている。

 寺の縁起によると、平安のころ(元応2・1320年)天台宗の名僧しん僧都そうずが東国を旅した時、当地を訪れ、天満てんまん天神てんじん菅原道真すがわらみちざね)を鎮守ちんじゅとして祀り、山号を教王山と称し、神護寺大照院と号した、とある。

 そのえにしによって、寺宝に菅原道真画像がある。画像は毎年一月二十五日、道真公のご命日に檀信徒に開披するのを恒例としている。近年は受験生が合格祈願のため参拝するようになったという。

 この画像に梅の花を捧げ、美酒を供えると「尊顔たちまち色を出し、かおいろ咲けるが如くおがまれ給う」と寺仏にあり、神酒みき天神てんじんと呼ばれ、境町の文化財の指定を受けている。

 本堂の天井に天女てんにょに囲まれた龍の絵がある。この龍が夜になると遊びに出て、農作物を荒らすので、龍の急所といわれる耳の付け根のあたりのうろこを一枚とったところ災いがなくなったといわれ、「動きを止められた龍」という伝説が生まれている。

 第十五番札所の観音様は境内の朱塗りの観音堂に祀られる聖観音菩薩である。ご詠歌に宝光寺ほうこうじの名があるように、もとは大照院の末寺にあったものが廃寺となったため当寺に移されたものである。        

 

 

寄木造よせぎづくり…木造彫刻の技法の一種で、一定の規則により体の各部分を別木で造り、それを寄せて一つの像にする方法。

しん僧都そうず…平安時代中期の天台宗の僧で、源信といい、恵心院という寺に住んでいたため、恵心僧都とも呼ばれる、『往生おうじょう要集ようしゅう』を著わし、のちの浄土宗成立の基盤を築く。

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