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境の名所~お寺~善福院
2014年05月08日 02:02第五番札所
医王山 善 福 院 真言宗豊山派
境町横塚319
ご詠歌 横塚と 聞けどすぐなる 道野辺の 草木もなびく 法の御庭に |
見はるかすというほど広々と視界が開ける長井戸沼干拓地の西側、宮戸川に架かる橋のほとりに善福寺がある。
以前、善福寺はもっと沼寄りにあったが、長井戸沼土地改良事業が進むに従い、現在地に落ちついたという。
ご本尊は阿弥陀如来で、開山は平安時代の承平(承平1年・931年)のころ、と伝えられている。
第五札所の聖観音菩薩は漆箔が施され、あたたかい眼差し、優しくほほえまれるご尊顔は、今にも私たちに語りかけくださるような観音さまである。
境内に寛保三年(1743)と銘を刻む宝筐印塔が造立されている。この塔は亡くなられた方の菩提を弔うため「宝筐印陀羅尼」という経文を納めるものである。この塔にも竹筒に経文が納められている、と伝えられていた。それまで道路端に建っていた塔を、現在の所に移すために解体した折、いい伝え通りその経文があった、という。
山号の医王は病気を治して下さる※薬師如来のことで、本堂に観音さまと並んで祀られている。当寺の薬師さまは六十年目の寅年の四月の初寅の日に開帳する、という秘仏で、その仕来りは地域の方々によってかたくなに守られている。
前回の薬師さまのご開帳は昭和六一年の四月四日の初寅の日より一週間、盛大な法会とご供養が営まれ、その事蹟は境内の一隅の碑に記されている。
○巡礼…信仰のため、複数の霊場・聖地(札所)を参詣してまわること。対象の札所に番付を選定し、その順に巡るため順札とも書く。
※薬師如来…正式には薬師瑠璃光如来といい東方浄瑠璃世界の教主。薬の字からも察せられるように病気を治したり、心身の健康を守る仏様である。
「猿島坂東観音札所めぐり」(山崎正巳氏著)より
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