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境の名所~お寺~② 香取院

2014年05月08日 01:53

第四番札所

三宝山さんぽうざん 観音寺かんのんじ  こう しゅ 院  真言宗豊山派

境町塚崎2887-4

ご詠歌

花の庭 香の煙も 香取院 

         みのりの春に 逢うぞうれしき

 

 

 

 

 

 

 

  長井戸沼干拓地の西側の台地の裾を流れる宮戸川のそばに香取院がある。川をへだてて香取神社が祀られ、かつては神仏が共に祀られていたことが察せられる。

 鐘楼を兼ねた山門は延享元年(1744)の建立と伝えられ、昭和26年、落雷による火災で本堂と観音堂が焼失した折、山門だけは類焼を免れ、昔の香取院の面影を偲ばせている。

 ご本尊は大日如来だいにちにょらい(金剛界)、第四札所の聖観世音菩薩は平成八年に新築された二間四面の観音堂に納められている。

 境内の右手に沢山の庚申塔こうしんとうが積まれる「百庚申」がある。昭和の初め、出征する兵士とその家族が、武勲と無事を祈願して建てたものである。塔の数は七百三十三基を数え、地元を始め、近県の方々も造立ぞうりゅうしたこと各々の塔に刻まれた銘によって知ることができる。無事に帰還された方々は今も参拝に訪れるという、

 香取神社の境内では四、七、十一の各月の十五日に獅子舞ししまいが奉納される。この獅子舞は古い舞の形が正しく継承され、演技もすぐれていることで、昭和三十五年、県の無形文化財に指定されている。

 以前、四月の獅子舞は五日間ぐらいかけて氏子うじこの家々をまわって歩いた。その折、獅子頭ししがしらから垂れる布の中へ頭を入れ、厄払やくばらいをする「風掛けふうがけ」という息災を祈る神事が行われていた。

 

 

神仏しんぶつ分離ぶんり…明治初年、政府が祭政一致お方針に基づいて行った政策で、神仏習合を廃止した。それまで神社は神仏混淆こんこうが一般的であった。

庚申…祭神は仏教では青面しょうめん金剛こんごう帝釈天たいしゃくてん神道しんとうでは猿田彦を祀る。干支の庚申にあたる日に、庚申待ちの祭事が行われる。千年の庚申にあたる日に、庚申待ちの祭事が行われる。

 

「猿島坂東観音札所めぐり」(山崎正巳氏著)より

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