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中村正己さん ~境町の郷土史家~
2019年10月13日 10:52昭和18年生まれ。若林在住。元境町役場職員。
勤務時に「境町の文化財を守る会」を創設、会誌を36年間発行し続けたほか、「境の民話」「町史ふるさとの歴史」などに執筆しました。
境町歴史資料館勤務時代、境町では「境町史」(全9冊)編さん事業が始まり、10余年の歳月をかけて刊行されました。中村さんも事務局として尽力されました。
これら境町の史書の刊行に多く関わり、豊富な知識・資料・データをお持ちの中村さんですが、ご自身が加藤清正にゆかりあるお家柄で、そのことをきっかけに古文書や郷土史に興味を抱くようになったそうです。
現在も千葉県立関宿城博物館友の会・会長として資料研究(テーマは「関宿藩の藩政」について)を続けておられます。
次号の「きんもくせい」には興味深い記事を寄せてくださいます。
※「境町史」には生活史と地史があり、どちらも読み応えがあります。
新元号 令和 生まれる
去る5月1日新天皇陛下が即位され、元号が「令和元年」となった。
令和は、西暦645年の大化より248番目となる元号である。今までに元号の出典の多くは中国の古典でありましたが、今回初めて飛鳥奈良時代の歌集「万葉集」より天平2年(729)正月13日、歌人大伴旅人邸(太宰府)に於梅花の宴を開き、この時に官人達の歌集をまとめた「梅花の歌三十二首」(巻五)より典拠されたものである。
大伴旅人は、奈良時代の貴族で天智天皇4年(665)に大納言大伴宿禰安麻呂子として生まれる。天平3年(730)7月25日に65歳で没する。この間大納言に任じられた。
梅花の歌三十二首序を井たり 時に、初春の令月にして、気淑く風和らぐ。梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫らす。
現代語訳 時あたかも、新春の好きな月空気は美しく風はさわやかに、梅は美女の鏡の前に装う、白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香りの如きかおりをただよわせている。(国文学者 中西進)
【文責 郷土史家 中村正己】 |
2.26事件襲撃指揮者の遺品鈴木貫太郎記念館に寄贈される
昭和11年(1936)2月26日陸軍皇道派岐阜県出身の安藤輝三大尉(1905-1936)ら青年将校達約1500人の部隊を率いて首相官邸などを襲撃した。西南戦争以来最大の国内事件であり、クーデターとも称された2.26事件である。
高橋是清蔵相をはじめ、斉藤実内大臣、渡辺錠太郎教育総監が殺害された官邸では秘書官が岡田啓介首相と誤認され射殺された。
当時、昭和天皇の侍従長だった鈴木貫太郎は侍従長官邸に於いて堂込曹長より突然3発の銃弾を浴びた時、妻タカに「とどめだけは」と懇願され、安藤は下士官に「とどめはやめろ」と命じ、鈴木は九死に一生を得た。その後、昭和20年(1945)4月戦争末期、昭和天皇は絶大な信頼を置いた鈴木に首相を要請、天皇とあうんの呼吸で「御前会議」を取り仕切り、終戦に導いた。事件で鈴木が殺害されていれば日本の歴史は変わってたものと考えられる。
このたび、令和時代に入り安藤大尉が事件当時使用していたとみられる「軍服」「軍刀」「眼鏡」など約20点が遺族から寄贈された。これらの遺品の一般公開は再来年を予定しています。
安藤大尉の遺品 |
鈴木貫太郎侍従長 |
安藤輝三大尉 |
【文責 郷土史家 中村正己】
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