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株式会社塚原牧場 ~ 塚原昇社長 ~
2015年05月22日 11:30証券会社を退社後、梅山豚の事業を引き継いだ塚原社長は大変な努力と研究を重ねながら、難しいとされる梅山豚の生産に取り組み、今や高級食材として一流のホテルやレストラン・デパートで取引されています。境町のふるさと納税の記念品にもこの幻と呼ばれている豚肉やその加工品が使われ、選べるようになっています。 |
Q:梅山豚(めいしゃんとん)について教えてください。
A: 平成元年に父親が中国から輸入しまた。その後、中国が輸出を止めたので、現在日本にいる純血種は塚原牧場と農水省に100頭いるだけです。希少種です。
Q:他の養豚とは違う飼育の苦労がありますか?
A:一般的な豚に比べて生産するのに手間と時間と土地が必要で、大量生産ができないです。梅山豚は世界一の多産で、普通、10頭位生みますが23頭生んだ事もあります。ギネス記録は33頭です。
小さく生まれるため飼育が難しく、初めのころは5割以上が死んでしまい、経営的には赤字でした。梅山豚は多産なのですが乳首が9ツしかない。お乳を飲めなくて育たない子ブタもいるんです。それで画期的な飼育法をあみだしました。子ブタをグループ分けして、授乳時間をずらすなど飼育法を工夫したことで死亡率を18%までに減らして、採算がとれるようになりました。
Q:豚は雑食というイメージがありますが、どんな飼料を与えていますか?
A:独自に開発した飼料飼料米や麦茶の搾りかす、パン粉、おから、芋羊羹に使われた芋の残りものの皮などを加工・配合して与えています。飼料用の穀物を外国から輸入する場合が多いと思いますが、人間の食べものの副産物を加工することで人間と豚は共生できると考えています。
Q:豚舎の近くは独特な匂いがする事が多いように思いますが、こちらはあまり匂いませんね。飼料に関係あるのでしょうか。放牧はしているのですか?
A:そうですね。市街地にありますし、商用のお客さまもみえますから匂いに関しては気をつけています。出荷までに1年近くかかる事などから豚舎用に広い土地が必要になります。以前は坂東市で放牧もしていましたが、2011年以降は放射能の不安もあるので今は豚舎で飼っています。
Q:TPPの影響はありますか?
A:その流れを止める事は出来でしょう。養豚業が生き残っていくのは大変だと思います。現在、国内に5000ほどある業者の6割はなくなるだろうと言われています。梅山豚は特徴のある品種ですし、品質アップのための努力をしているので外国産にも対抗できると考えています。
Q:塚原牧場さんは会社組織なんですね。養豚業界では珍しいと思います。
A:企業化、システム化することで従業員も安心して働ける職場づくりをしています。お客様に長く愛して頂ける商品を作り続けたいですからね。
Q:境町の政策アドバイザーとしてはどんな活動をされていますか?
A: 月1回境町戦略会議に出席します。給食メニューにクックパッドとの提携を提案しました。単においしさを追求するだけでなく、子どもが「今日の給食美味しかったよ」と言ったメニューのレシピをWebで調べて同じもの家でも作ってみるなど、子どもとお母さんの共通の話題になるといいですね。
Q:圏央道が開通しましたが町の活性化に繋がりますか?
A:定住者が増え、人口増加を期待するところですが、交通の便がよくなるということは境町へ来る人も、町から出て行く人も多くなりますね。境町にとってはチャンスであるが、ピンチにもなりうるでしょう。
Q:境町の若者にメッセージをお願いします。
A:私は20~30代に失敗も多かっのたが、くじけずにやってきて良かったと思っています。若者には未来と時間があるので広い世界に飛び出し、失敗を恐れずチャレンジし続けて欲しいと思います。
Q:家事はなさいますか?
A:自分の身の回りのことは全部やります。今の若い人たちも出来るでしょう。
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