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関宿藩主久世廣之の書跡 西光寺 ~ 境町の郷土史① ~
2015年11月15日 01:20西泉田の西光寺には、寺宝として関宿藩主久世廣之の書跡が所蔵されています。この書跡の由来は、江戸時代寛永12年(1672年)の仲秋に関宿藩主久世廣之(1609~1779)63歳の時にこの寺へ詣で、当時、堂内に当地出身の麻生紋三郎が植え付けた「桜樹」がありました。これを題材として次のような和歌一首を詠み、贈られらた作品であります。
「下総国世喜宿和泉田村西光寺といへる古寺に、大ひなる桜あり、春は八重一重に咲きみだれ、人々此の花のもとに来たりて終日愉暮せりと 住持のかたられし 誠にさもありなん 一もとの桜、堂の庭にみてり、年久しけれども枯れたる枝 も見えず よそほひ たくひまれなり おりふし 秋の半に見たればかくなん
西ひかる 寺の桜と秋とても 花もわすれぬ庭のよそほひ」
かつて桜樹は、開花寸前に美しい芳香を四方に漂わせたことにより、「匂い桜」と称され、猿島地方の名所の一つに数えられていました。今日では、古木の為古木倒木となってしまい見ることが出来ません。 (文責 郷土史家 中村正己)
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